里山学覚書

森林科の学生の自学メモ

読書レビュー「日本の美林」

本書のテーマは一言で言うと「いい森とは何か」である。

万能な森林はありえないにしろ、豊かな自然環境と生産活動を高い次元で両立する森林の創出することは可能なのだろうか。本書は、日本各地の美林を見ていく中でいい森とは何か考えさせられる書籍である。もちろん、いい森の答えは一つではないし、時代によって価値観が揺れ動くなかでいい森の認識は変わっていく。価値観の「揺れ」に最大限に対応できる森こそが「美林」と呼ばれるのである。

さすが岩波と言うべき良書であると思う。読みやすくも内容が濃く、主張も一貫している。