里山学覚書

森林科の学生の自学メモ

徒歩旅行(ロングトレイル)の食事計画には栄養のあるものを!

みなさん、こんにちは!

 

数日間にわたる徒歩旅行をする際は、栄養のある食事をとることが大事ですよね。

 

食事の正解というのはわかりませんが、ここでは、僕が今年の夏に行ったしまなみ海道徒歩旅の経験をもとに、美味しくて安くて栄養バランスにも優れた食事メニューを組み立ててみました!

 

しまなみ海道を歩いて考えた最強メニュー

僕がしまなみ海道で食べてた食事を基に、栄養バランスを計算するサイトを使って調整をかけて、カロリー・塩分多めの献立を作ってみたのが下の図です。

出典:食の栄養バランスチェック|明治の食育|株式会社 明治 - Meiji Co., Ltd.

順番に見ていってみましょう!

 

①朝は、パックご飯缶詰

②最初のコンビニで、おにぎりスポドリ補給!飲むヨーグルトも。

③お昼くらいに通る町のスーパーで、弁当を買って食います。野菜も入ってるのを選びます。ここで夜・朝の食料も買います。

④夜は、スパゲッティを茹で、パスタソースサラダをぶっかけて食べます。サラダが入るだけでばり美味しいです。健康的な気分になれます。果物飲むヨーグルトがあるとさらにいいです。コッヘルはスープを飲んで拭けばキレイキレイ。

 

公園で食べたミートソーススパゲッティ〜。
パックごはんも茹でられる大きなコッヘルは、実はダイソーのやつ。
うまいもん食って元気出せ!

さて、こんな感じの献立はどうでしょうか。

 

フリーズドライなんかと比べたら圧倒的に重いですが、ロングトレイルは登山なんかより長旅です!せっかくスーパー寄るんだから美味しいもの食べたいじゃないですか!

それに、パンは飽きるけど、このメニューなら飽きません。

 

腹が減っては戦はできぬです。

 

どうぞ、お試しあれ。

みんなの本棚

本の交換というアート

今日、本棚を調べていたら、たまたま見つけた面白い取り組み。「熊野公共文庫」。

京都大学熊野寮の入り口近くに設置されている本棚は、みんなが不要になった本を持ち寄り、本を交換することのできる場となっている。

本棚(というより密閉できるケース)はカラフルなペイントがなされ学生の手作り感がすごいが、ここで行われる本の交換という行為はとても文化的で有意義な感じがして好きだ。

出典:【京都暮らし】京都大学熊野寮前に設置☆無料で本を交換しあうSDGs本棚「熊野公共文庫」 (2023年7月27日) - エキサイトニュース

www.excite.co.jp

2022年から寮生の本の交換として始まったものらしく、ドイツや北米のパブリック本棚が元になっている。

試しにPublic book shelfと調べると、道端に扉付きの本棚が置いてある写真がたくさん出てきた。ドイツなどではかなり広まっているらしい。では、日本にはこういった取り組みはないのだろうか。

 

東京の町田発のきんじょの本棚という取り組みが見つかった。

きんじょの本棚」は本棚が設置してある場所でなら、どこで借りて、どこで返してもいい“まちの本棚”

(出典:きんじょの本棚

2018年に4箇所から始まり、今では全国で200箇所を超えるらしい。だが、残念ながら私の住んでいる近くにはないので、都会に行ったらぜひ利用してみたいものだ。

 

熊野公共文庫みたいに、大学内に本の交換所を作ってみたら面白いかもなあ。

大学で何をするべきか〜学生生活前半を振り返って〜

意外とみんな孤独

最近よく考えるのが、「大学で何をすべきか」ということだ。

早いもので私の大学生活ももうすぐ半分終わってしまうという。友達も、夜私の部屋に来てはダラダラと時の流れ(と彼女がいないこと)を嘆いている。

 

これまでの学生生活、まあ何もなかったわけではないが、一年生の時に手に入れたものは今ではみんな失ってしまった。

入学してすぐに、田舎育ちの純粋無垢な女の子と両思いになったのも束の間、付き合う頃には熱は冷めてしまって3ヶ月程で別れたし、先輩から7万でもらった車も今では事故で廃車にしてしまったし、慣れないものに手を出しては失敗を重ねた、反省の尽きない年月であった(文字にしてみるとなかなかに酷い)。

 

 

けれども、幸にして信頼できる友達や、勉強への熱意を失うことはなかった。万が一、この二つを失ったらもはや大学にいる意味はないのだろうな。

 

 

こうして過ごしてきた二年間の経験を通して、気づいたことがいくつかあった。

 

まず、自分は他人への興味が薄いということ。彼女が欲しくなかったわけではないが、恋愛とお付き合いという経験自体への興味が強かったのだと、今振り返って思う。

 

そして、人はみんな孤独だということ。私も友達は多くなく、少し寂しい時はあるが、かといって友達とダラダラと何時間も過ごしたいとは思わない。自分の時間も欲しいし。一方、私の友達にはわざわざ誰かとスーパーに行ったり、用もないのに長時間部屋に来たり、飲み会の二次会以降も行かないと気が済まなかったりするやつもいる。休日何しているのか聞いても、ゲームとか、YouTubeとか、寝てるとかいうやつも多いことを考えると、煌びやかなインスタが流行っている割にはみんな暇してて、一人でやる趣味もなく孤独に生きているのだなと感じる。

 

一年生の間は憧れの学生生活で、学科内だけでなくサークルやバイトなど、様々な出会いに興奮しているが、2年生も後半になるとどうでもいい繋がりは段々と切れていき、一部はバイトに入りまくったり彼女ができたりするやつもいて、徐々にバラバラ感が増していくのである。

そんな中で大事になってくるのが、「孤独な時間の使い方」ではないだろうか。

 

孤独な時間の使い方

ここ2ヶ月半程度、私の生活には大きな変化があった。

毎日のように図書館に行って読書や調べ物をする様になったのだ。

 

それまでの私といえばそもそも部活に使っていた時間が多かったし、暇な時は部屋にいてパソコンいじったりして、夜は遅くまで友達と飲み会をしていることも多かった。1限がない日が多かったので朝寝坊できたのである。この生活も悪くはなく初めてのことも多くて結構楽しめた。

 

それが、後期が始まってみると、なんと全部の曜日が1限から始まっているではないか。学科の友達も同じなので、これによって夜遅くまで飲み会をしていられなくなった。これが意外と生活には良い影響を与えた。それまでの私は酷いもので全部の講義の半分くらいは寝ていたものである。完全に寝不足だったけど、寝ていても成績は取れた。寝坊することも多かった。

しかし、今では寝ているのは講義の5分の1くらいになったし、講義の内容もよく頭に入る様になった気がする。部活に行く頻度も下がったことから自由な時間が増えた。

 

もう一つ大きな影響を受けたのはプログラミング(Python)の講義をとったことであろう。この講義は主に工学部の一年生が選択でとるもので、農学部の2年生が取ることはあまり想定されてなかった。

講義が始まると間も無く、周りのほとんどが多少なりともプログラミングをやったことがあるとわかり、コンピュータ言語なんてhtmlぐらいしかわからない私がやっていいものかと不安になった。そこで、その日から毎週その講義の後は図書館にこもって閉館時刻(9時)までPythonの勉強をすることに決めて、それを実行した。

 

Pythonの基本を抑えるのに、大して日数はかからなかった。

放課後暇な時は講義の日以外も、教科書片手にコマンドラインと睨めっこしてPythonを打ちこみ、文法が大体わかったところで、VS codeを導入してサンプルコードを何個も作った。

そのうちGUI(いわゆるアプリっぽい見た目のプログラム)や、SQL(データベースを扱う言語)にも手を出し、以前から興味のあった標本管理用データベースアプリも作れる程度の力がついてきた。絶対に教授の想定以上の成長だ。

講義では、初心者コースに分類された割には、実践的なことは何も教わらなかったので、あの時自学を始めて本当に良かったと思う。

 

こうして、Pythonの勉強で図書館の居心地の良さに気づいてしまった私は、しょっちゅう図書館に入り浸るようになり、一人で勉強するのも楽しいものだと思うようになってきた。そんな中で私はいくつかの本にであい、大きな影響を受けた。

 

ある日の夕方、近くのブックオフに行ってみた。理工書から始めて興味のある棚を回っていたら、新書コーナーで面白い本を見つけた。

齋藤孝さんの『語彙力こそが教養である』(角川新書)。自己啓発ちっくな本は、内容のうすっぺたい本が多いので好きではなかったが、以前、斎藤孝さんが本を紹介している本を読んだら面白かった記憶から、この本を手に取った。

本の概要は以下のような感じである。人間の思考できる範囲は語彙によって制限がかかっていて、語彙を増やすことで世界の見方を広げられる。そのためには語彙のインプット及びアウトプットの積極的な練習が必要である。

つまり、教養を身につけることが語彙力を上げることを意味し、逆もまた然りということだろう。

 

もう一冊、印象的な本があった。

中谷彰彦さんの「大学時代しなければいけない50のこと」(PHP文庫)だ。著者はこう指摘する。大学時代にチャンスを掴んだ人は「一人の人と出会い、一冊の本と出会っていた」。

誠に単純ながら、この二人の言葉に私は感銘を受け、それ以降よく本を買って読む様になった。図書館の居心地の良さと、本の面白さに気づいてしまった私は、知的興奮を求めることが大きな楽しみとなった。そして、今はそのアウトプットとしてこのブログを書いている。この勢いがどれだけ続くかはわからないものの、暇してるよりよっぽど面白くて身になるので、後悔はないと思う。

 

以上の様なことから、私の考える大学でするべきことは、「孤独になって好きなことを勉強する」ということだ。もちろん知識をつけることが好きじゃないんなら勉強なんてしなくていいと思うし時間の無駄だと思うから、これはあくまで自分の場合だろう。

ただ、何もせずダラダラ過ごして後悔することはあっても、好きなことを勉強して後悔することはないと思うし、勉強に時間を使えるのは大枚を叩いて大学に入ったおかげだろう。

楽しいこともうんとやった方がいい。足りないものに気づいたら、勉強を始めればいい。そして、何より勉強は楽しいのでした方がお得だと思う。金もかからんし。

 

どうだろう?

ベランダで寝てみる

昨日の夜、ベランダに銀マットと寝袋をひいて寝てみた。

季節によってテント泊の装備は変わるが、実際に外で寝てみないと最適な装備はわからないものだ。

特にザック一つで登山や徒歩旅をするスタイルだと、車キャンプのように余計なものを持っていくことはできない。だから尚更装備の最適化は重要項目なのである。

さて、私の持っている寝袋はNANGAのものなのだが、何年か前に父が買ってくれたもので、コンフォート温度が書かれていないため、わからない。型式も、書いてないし、こいつが限定カラーかなんかのため、わからない。確か数万円はした様な気がするのでそれなりのものだとは思うが、実際のところ名前もスペックもわからないのであった。

何回も使っているので、なんとなく保温性はわかるのだが、数字としてあるわけではないため、たまに外に出して寝てみることでそのシーズンに持っていく防寒着の量を決めている。

昨日の夜間の最低気温は10°Cくらいだったので、楽勝だった。

Tシャツにジャージのズボン、トレーナー上一枚で明け方まで寒くなかった。一方で、コンクリートは土の地面より硬いので、銀マットだけでは少々寝心地が悪く熟睡とはいかなかった。

今回あえてモンベルのオレンジマットを使わなかったのは、軽量化を考えてのことだった。あと、登山部の先輩が小屋の床にマットなしで寝てるのに何故か憧れたというのも、ちょっとある。そこで、マットなしとはいかないまでも、安くて(ホムセンで660円)軽量でザックに外付けできる銀マットを使うことにした。

天気予報を見てみると、どうやら来週から冷え込む様なのでまた寝袋で寝てみようかと思う。氷点下の夜に駅寝できるくらいの想定で行きたい。

『全国駅前銭湯情報』

古臭い旅がしてみたい

旅に出たい。

それも新幹線で移動して小綺麗な宿に泊まるようなんじゃなく、もっと遅くて小汚くて人臭い旅をしてみたい。電車やバス、自転車あるいは徒歩で移動して、夕方には駅前の銭湯に入って、夜は公園や駅に野宿するような旅がしたくてしょうがない。

昔の旅人の必携バイブル

先程ふとSTB(ステーションビバーク無人駅などに泊まること)のことを思い出して風呂上がってからネットサーフィンしてたら「STBのすすめ」と「全国駅前銭湯情報 '96-'97」という本のことを知ってしまったのだ。どちらも90年代の鉄オタや貧乏学生の必携バイブルだったものだ。

紹介された記事を読んでみるとぜひこれを読んでみたくなってしまい、古本で調べたところ、前者は1万円くらい、後者は3000円くらいで売られている様だ(当然絶版である)。界隈では有名な本なのか地味に高い。

そこでメルカリで見てみたところ駅前銭湯情報がなんと送料込で1000円で売っているではないか!資料蒐集はケチらないと決めているので即購入した。

さてさて、どんな本が届くかな。

「日本列島の甲虫全種目録」について

更新を続けるオンライン目録

japanesebeetles.jimdofree.com

日本の甲虫類についてこのサイト以上に詳しいものがあるだろうか。

甲虫目は昆虫綱だけでなく動物全体においても最大のグループであり、種数が莫大なため目録作成が困難な分類群である。日本昆虫学会の発行する日本昆虫目録でも、未だに鞘翅目の巻の出版はできていないほどだ。

そこで、このサイトでは掲載する情報を種名や分布など限られた項目に設定することで日本産甲虫目全種のリスト化に成功している。また、このサイトを利用するユーザーには専門家が多いようで、閲覧者からの指摘によりしょっちゅうアップデートを重ねている。

昆虫学は日進月歩で、分布や分類についての新成果が素早く適応されると言う点でも、簡単に更新可能なWebサイト上に目録を公開するのは合理的であると考えられる。情報の正確性や出典の提示が確保されれば、紙で出版するものより場合によっては優れている可能性もある。

個人で運営されており非常に労力のかかる仕事だとは推察するが、是非継続してほしいサイトだ。

 

ちなみに、サイエンスミュージアムネットでも「学名辞書的に使えるウェブサイト・資料など」として紹介されている。

https://science-net.kahaku.go.jp/contents/hint/RMB33_jpspecieslist.pdf

読書レビュー「日本の美林」

本書のテーマは一言で言うと「いい森とは何か」である。

万能な森林はありえないにしろ、豊かな自然環境と生産活動を高い次元で両立する森林の創出することは可能なのだろうか。本書は、日本各地の美林を見ていく中でいい森とは何か考えさせられる書籍である。もちろん、いい森の答えは一つではないし、時代によって価値観が揺れ動くなかでいい森の認識は変わっていく。価値観の「揺れ」に最大限に対応できる森こそが「美林」と呼ばれるのである。

さすが岩波と言うべき良書であると思う。読みやすくも内容が濃く、主張も一貫している。